内なるオルフェウスの歌
今回取り上げる書物を、音楽書と言って良いのかどうか、いささか迷うところです。 書名;内なるオルフェウスの歌
"PERFORMANCE:Revealing
the Orpheus Within"
著者;アントニー・ルーリー
訳者;有村祐輔
音楽乃友社1995年
ご存知リュート奏者・古楽家のアントニー・ルーリー氏が、古楽におけるパフォーマンスの概念を、当時の例を挙げながら考察した一書。
一般の音楽書とは異なり、「神」とか「霊魂」といった言葉が登場し、まるでルネサンス期の神秘主義の書物を読んでいるような印象さえ受けます。
「音楽書」というよりも、ルーリー氏の古楽に対する「思想書」、「哲学書」と言った方がより適切かも知れませんね。
考えてみれば、古楽というのは時間的にも空間的にも、現代日本とは遠く離れた存在です。
それらを学び楽しむためには、やはり当時の思想、特にキリスト教と切り離して考えることは不可能でしょう。
またルネサンス期であれば、カバラや錬金術、あるいはネオ・プラトニズムなどとも決して無縁では無いと思います。
そんなことを考えさせられる一書です。
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